Intersectアップデート #104へようこそ

今週のアップデートでは、Cardanoのアップグレード、国際イベント、予算準備、オープンソースの活動などについてお届けします。ぜひ最後までご覧ください。

Contributors: Bosko M, Kevin Hammond, Hard Fork Working Group, Parameter Committee, Intersect Technical Steering Committee
Cardanoのアップグレード
Cardano Node 10.7.0のプレリリースが公開され、実機でのテストが可能となりました。これはvan Rossem対応に向けた大きな前進であり、エコシステム全体における統合およびテストの本格的な開始を意味します。
Cardano Node 10.7.0プレリリース
- New features are included in 10.7.0 from past releases: UTXO-HD (on-disk storage), KES Agent, Cardano-rpc
- プレリリースは現在利用可能です:10.7.0-pre-release
- 本バージョンには、過去のリリースで導入された以下の新機能が含まれています:UTXO-HD(ディスク上ストレージ)、KES Agent、Cardano-rpc
- エコシステム全体に対し、本リリースのテスト開始が推奨されています
- なお、内部ストレージ構造の変更に伴い、本バージョンを使用する場合はネットワークのフルリシンクが必要となります
- 現在、最終的なベンチマークおよびパフォーマンステストが進行中であり、完了次第、本リリースは正式版へ移行予定です
- また、大規模リリースと同様に、追加のマイナーリリースが必要となる可能性がありますが、その場合の変更範囲は限定的なものとなります
Plutusコストモデルの変更
van Rossemハードフォークに先立ち、IntersectのParameter CommitteeはPlutusコストモデル設定の変更を提案しています:
- van Rossemで利用可能となる新たなプリミティブの有効化
- 既存の一部Plutusプリミティブにおける係数の変更
後者の変更により、DApp開発者は新しいコストモデルに基づき、自身のスクリプトを再確認する必要があります。これは、トランザクションコストに関する前提が、Plutusコストモデル更新後も正しいことを確実にするためです。本提案はまもなくオンチェーンで提出される予定です。詳細はこちらをご確認ください。
新しいPlutusプリミティブはvan Rossemハードフォーク時に利用可能となり、以下の5つのCIPにて定義されています:CIP-109、CIP-132、CIP-133、CIP-138、CIP-153。

Contributors: Civics committee, Thomas L, Ian H, Intersect, Intersect Steering Committee, Simo S, Intersect
ISCは3月23日に会合を開き、次回の予算サイクルに先立ち、Intersectおよび各委員会から提出された予算提案ドラフトのレビューを実施しました。各グループは、ガバナンスワークショップ、技術的な連携調整、オープンソース支援、プロダクトリサーチおよびパイロット、トレジャリーの透明性といった分野にわたる作業パッケージ案を提示しました。議論では、提案内容の整合性確保、重複の回避、そして各取り組みがどのように実行されるのか(メンバー参加の役割を含む)の明確化に重点が置かれました。ボードメンバーからは初期フィードバックが提供され、今後さらに踏み込んだレビューが予定されています。また、最終提出に向けて、Cardanoエコシステムにおける調整レイヤーとしてのIntersectの価値を明確に打ち出すことの重要性が強調されました。
Civics Committeeは3月26日に会合を開き、データに基づくガバナンスの洞察のレビュー、今後の委員会選挙に向けた調整、ならびに複数の運営ワークストリームの推進について議論を行いました。
会議の中心となったのは、Beyond Minimal Viable Governance(BMVG)プロジェクトの調査結果に関するプレゼンテーションでした。本レポートは、特定の指標を用いてCardanoのガバナンスの健全性を評価したものであり、現行プロセスについて概ね良好な見通しを示しています。DRep数の減少やSPOにとってのツール面での課題といった問題点も指摘された一方で、データはガバナンスが引き続き機能的かつレジリエントであることを示唆しています。委員会は今後もBMVGレポートの進捗を継続的にモニタリングしていく予定です。
委員会はまた、今後の選挙サイクルにも注力し、現メンバーおよび新たな候補者双方に対して積極的な参加を呼びかけました。同時に、Constitutional Committee(CC)の選挙ルールおよびガイドラインのドラフトが提示され、レビューが行われました。委員会メンバーによるボランティアグループが3月31日の週初めにこれらを精査・改善し、次回会合において正式承認が得られるよう準備を進める予定です。
委員会の各アクティブなワーキンググループからのアップデートは以下の通りです:
- Constitutional Amendment Process(CAP)ワーキンググループ:取り組みは実務的な検証フェーズへと移行しており、今後数週間以内に「テストケース」となる改正案を実際に処理する計画です。これにより、GitHubベースのワークフローにおける効率性の向上余地や技術的な摩擦ポイントの特定を目指します。
- Governance Education Working Group(GEWG):初期フェーズにおいて、Intersectのナレッジベース向けに26のコミュニティリソースを特定し、移行計画を策定しました。これらのリソースの継続的な維持管理および四半期ごとのレビューは、Secretaryの役割のもとで実施されます。
現在進行中のガバナンスアクション*
1. Cardano Budget Process Framework(Intersectによるファシリテーション)
タイプ:Info Action ℹ️
期限:2026年4月4日(エポック623)🗓️
進捗レポート:
-
CC投票:4 🟢 | 0 🔴 | 0 ⚪️ | 3 ⏳
- DRep投票:60.70% / 51%
- SPO投票:カウント対象外(ただしレジャー上では投票可能:6.14%)
詳細情報:Proposal | Vote Progress
2. Dingo:Blink LabsによるGoベースのプロダクショングレード・ブロックプロデューサー
タイプ:Treasury Withdrawal 💰
期限:2026年4月9日(エポック624)🗓️
進捗レポート:
- CC投票:2 🟢 | 0 🔴 | 0 ⚪️ | 5 ⏳
- DRep投票:24.77% / 67%
閾値:CCメンバー7名中5名の承認、DRepアクティブ投票ステークの67%
詳細情報:Proposal | Vote Progress
3. Cardano Defi Liquidity Budget - Withdrawal 1
タイプ:Treasury Withdrawal 💰
期限:2026年4月9日(エポック624)🗓️
進捗レポート:
-
CC投票:3 🟢 | 0 🔴 | 0 ⚪️ | 4 ⏳
- DRep投票:38.62% / 67%
閾値:CCメンバー7名中5名の承認、DRepアクティブ投票ステークの67%
詳細情報:Proposal | Vote Progress
4. Cardano x Draper Dragon:Orion Fund
タイプ:Treasury Withdrawal 💰
期限:2026年4月14日(エポック625)🗓️
進捗レポート:
-
CC投票:2 🟢 | 0 🔴 | 0 ⚪️ | 5 ⏳
- DRep投票:25.34% / 67%
閾値:CCメンバー7名中5名の承認、DRepアクティブ投票ステークの67%
詳細情報:Proposal | Vote Progress
5. Approve Cardano Foundation as New Managing Entity of Project Catalyst
タイプ:Info Action ℹ️
期限:2026年4月19日(エポック626)🗓️
進捗レポート:
-
CC投票:2 🟢 | 0 🔴 | 0 ⚪️ | 5 ⏳
- DRep投票:56.35% / 50%
- SPO投票:カウント対象外(ただしレジャー上では投票可能:0.45%)
閾値:本Info Actionは2026年4月19日まで実施され、本提案はプロセスを進め るために、DRepアクティブ投票ステークの過半数(>50%)の支持獲得を目指しています。
詳細情報:Proposal | Vote Progress
※データは2026年3月27日09:30(UTC)時点のものです 
Contributors: Simo S, Budget committee
予算プロセス2026 ― 予算提案テンプレート
次回の予算サイクルに向けた準備を進める提案者を支援するため、Budget Proposal Submission Template(予算提案提出テンプレート)が公開されました。
本テンプレートは、提案者が必要かつ関連性の高い情報を明確かつ体系的に整理して提示できるよう設計されており、Delegated Representatives(DReps)が提案内容をレビュー・比較し、各提案がエコシステムにおける測定可能な成果にどのように貢献するかを評価しやすくすることを目的としています。
提案者は、本テンプレートを活用することで、事前に提案内容の作成およびブラッシュアップを行うことができます。
近日公開
今後数週間以内に、IntersectのAdministration Servicesに関するあらゆる情報を網羅したKnowledge Baseの新セクションが公開予定です。次回の予算サイクルに向けた実用的なハウツーガイドや最新のポリシーも掲載され、IntersectのAdministration Serviceの詳細や、コミュニティ、ベンダー、またはThird Party Assurersへの支援内容について理解を深めたい方にとって有益な内容となります。公開日については、続報をお待ちください。

Contributors: Growth and marketing committee, Terence M, Larisa McF, Intersect
Open Source Committee(OSC)は、米国ミネソタ州ミネアポリスで開催されるLinux Foundation主催「Open Source Summit North America 2026」において、ゴールドレベルスポンサーとして参加することを発表いたします。本スポンサーシップは、Cardano Foundationとの連携により実現したものです。お近くにお越しの際は、ぜひご参加をご検討ください。このような権威あるイベントにおいて、CardanoおよびWeb3技術について発信できることを大変嬉しく思います。
また、OSCはアルゼンチンで開催されたBuidlerFest 2026にも参加しました。Georg L.(Chair)およびSebastian P.は、「Strengthening the Cardano Ecosystem through the Paid Open Source Model (POSM)」と題したプレゼンテーションを行い、参加者から多くの有意義な質問が寄せられました。各参加者からの詳細レポートおよび第1四半期イベント総括は、後日公開予定です。以下に、当イベントで寄せられた主な質問とその概要回答の一部をご紹介します。今後のOSCミーティングにもぜひご参加いただき、継続的な議論に加わっていただければ幸いです。
- OSCのプログラムは、すでに採用(アダプション)が進んでいるものの、開発者が継続的な支援を受けられなくなったプロジェクトをどのように維持できるのでしょうか。
- 本件については、継続的なサポートを提供できるよう設計されたプログラムの構造について説明しました。
- OSCは、Maintainer RetainerプログラムおよびTooling Sustainabilityプログラムの対象となるプロジェクトを自ら探索しているのでしょうか。
- 現在はこれらのプログラムを構築・整備している段階であり、支援が必要なプロジェクトを特定するための分析機能はまだ本格的には活用していないことを説明しました。また、議論の中では、既に関係のある組織に所属する経験豊富な開発者に対し、不可欠なツールや、メンテナンスおよび持続的支援が必要とされる領域について意見を求めることが有効であるとの提案がなされました。
- Developer Advocate Programは、大学との連携や既存の教材・取り組みとどのように連動しているのでしょうか。
- これについては、Developer Advocateがさまざまな取り組みをつなぐ“接着剤”の役割を担っていることを説明しました。新たに同様の取り組みを繰り返したり重複させたりするのではなく、既存の活動を支援・強化することを重視しています。
エコシステムの所感
私たちエコシステム全体としての在り方に、明確な変化が見られます。
その変化は、数多くの成果物として表れているだけでなく、姿勢そのものにも現れています。これまで後付けになりがちだった調整や連携が、より多くのチームにとって前提として組み込まれつつあります。ノードリリースの早期テスト、イベントでの共同参加、協働型のハッカソン環境、サイロ化の減少と領域の重なりの増加――こうした動きが見られます。必ずしも整然としているわけではなく、常に効率的であるとも限りませんが、個別の集合体ではなく“エコシステム”として機能する方向への、確かな前進です。
同時に、この相互接続性に伴う責任への認識も高まりつつあります。Cardanoのガバナンスが成熟し、プロセスが形作られる中で、問いの質もより精緻になっています。すなわち、価値はどこで実際に生まれているのか、それはどのように測定されるのか、そしてそれを担い続ける責任は誰にあるのか、といった点です。これは、提案の構成方法、委員会間の連携の在り方、そして各貢献者が自身の担当範囲を超えて思考する姿勢にも表れています。ツール、参加、明確性をめぐる摩擦も、単なる障害ではなく、生産的な摩擦へと変化しています。それは停滞ではなく、前進を生み出す摩擦です。
エコシステムの観点から見れば、これらはアラインメント(整合性)の進展を示す兆候です。エネルギーはすでに存在していますが、より明確な意図のもとに方向付けられています。ビルダーは実環境の中でアイデアを検証し、ガバナンス参加者はより広い文脈を踏まえて関与し、そして調整レイヤーとしてのIntersectもまた、自らの役割をより明確に示すことが可能になっています。そのためのプレッシャーもまた、健全なものと言えるでしょう。

Contributors: Abhik N, Intersect, Lara B, Intersect, Ian H, Intersect, Valeria D, Intersect, Ryan W, Intersect
Intersectの委員会選挙が3月30日に開始されるにあたり、自身がどの分野で最も大きなインパクトを発揮できるかを考える絶好の機会です。Cardanoの将来において、あなたにとって最も重要なのはどの領域でしょうか――ガバナンス、予算、技術的方向性、エコシステムの成長。これらそれぞれに対応する委員会が設けられています。応募期間は3月30日から4月17日までとなっていますので、ご自身のスキルや情熱がどこに合致するのかをじっくりと見極め、立候補を検討してみてください。
現時点で立候補が難しい場合は、あなたのネットワークの中で適任と思われる方をぜひ思い浮かべてみてください。優れた委員会は優れた人材によって構成されます。まさにその適任者をご存知かもしれません。
Pythハッカソン「Pythathon」ブエノスアイレス
Intersectは、Cardano Pentadを代表して承認済みのCritical Integrations Budgetの運営管理を担っています。この予算のミッションに向けて、着実な進展がこれまでに達成されており、現在も継続しています。
Pythは「Pyth Lazer」と呼ばれるティア1オラクルを提供しており、オンチェーンのスマートコントラクトに対して数千に及ぶリアルタイム価格フィードを提供しています。Pythの開発チームであるDouro Labsは、Pentadの支援を受けながら、Cardano対応の実装に向けて精力的に取り組んできました。
TxPipeおよびInput Outputとの連携のもと、Pyth FoundationとDouro Labsのチームは、3月25日から26日にかけてPyth統合ハッカソンを開催しました。本イベントは2日間にわたり、初日はTx3およびPythに関するワークショップを実施し、2日目には12時間に及ぶ本格的なハッカソンが行われました。
本イベントの目的は以下の通りです:
- ビルダーがCardano開発を学ぶための機会を提供すること
- ビルダーが自由な発想でアイデアを試し、新規プロジェクトの立ち上げを促進すること
- CardanoにおけるPyth統合の実用性を検証すること
- メインネットローンチに先立ち、ビルダーからのフィードバックを取り入れること
本イベントには65名のハッカーが参加し、合計24件の提出がありました。PythがCardanoにもたらす可能性を示す革新的なプロジェクトも数多く見られ、担保型の合成ステーブルコイン、資産価格の予測市場、DAOトレジャリーの資産バランシングなどが発表されました。
受賞結果は近日中に発表される予定です。
来週の予定:
Intersect委員会選挙
Lumaカレンダーの購読
- X Space:Intersect Committee Elections 2026 Kick Off
2026年3月27日(金)15:30(UTC) - X Space:Intersect Committee Elections '26 #1 : Get to know - OSC,
MCC and ISC
2026年3月31日(火)15:30(UTC - Virtual Hub:Meet the Committees – Civics & Budget Committee
2026年4月2日(木)14:00(UTC)
X で開催されるVirtual Hub参加方法ガイド
Intersect Town Hall | Q1ハイライトおよびフルレポート
第1四半期におけるIntersectの活動全体を総括する特別タウンホールイベント
2026年4月2日(木)13:00(UTC)開始。YouTubeでライブ配信後、14:00(UTC)よりVirtual Hubへ移行
定期スケジュール
「Inside the van Rossem Upgrade: Weekly Community Q&A」
(Intersect Technical Steering Committee主催 X Space)
2026年4月2日(木)14:30(UTC)|Lumaカレンダー
Enterprise Spotlight:Sentinel Legal

Sentinel Legalは、ジュネーブに本拠を置くスイスの法律事務所であり、企業法・商事法、規制対応、デジタル法、Web3/ブロックチェーンなどの分野において、高度かつ付加価値の高いリーガルアドバイザリーおよび紛争解決サービスを提供しています。
同事務所は、企業および個人の双方を対象に、クロスボーダー案件に強みを持ち、ホワイトカラー犯罪やデジタル資産規制といった複雑な領域において、訴訟対応力と戦略的アドバイザリーを組み合わせた包括的な支援を行っています
国際的に信頼性の高い法域に拠点を置くSentinel Legalは、予防的リスクマネジメント、体系的なリーガル戦略の構築、そして分析から解決に至るまでの一貫した業務遂行を重視し、欧州をはじめとするグローバルなクライアントにサービスを提供しています。

今週のアップデートは以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。Intersectの活動についてさらに詳しくお知りになりたい方は、ガバナンス構造、委員会、資金提供に関する詳細な情報を掲載している「ナレッジベース」をぜひご覧ください。
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